上映作品

12月8日(日) 【会場】 日仏会館ホール(会場図

大藤信郎『くじら』『幽霊船』〔デジタル復元版〕特別上映

日本アニメの先駆者・大藤信郎(1900-1961)の代表的アニメーション作品『くじら』『幽霊船』がデジタル復元され、美しい色彩で甦りました。今回は、この2作品を特別上映いたします。

  • 13:00

デジタル復元とは  (株)IMAGICA 三浦和己氏

  • 13:05

『くじら』 1953年 9分

『くじら』

ある嵐の日に一艘の旅船が難破し、イカダの上に生き残ったのは三人の男と一人の女。男たちはその女の奪い合いを始める。その時、一匹の大鯨が現れて、この四人をひと飲みにしてしまう・・・。カンヌ映画祭でピカソも絶賛した色彩影絵映画。

  • 13:15

『幽霊船』1956年 11分

『幽霊船』

東洋の黄色い波の漂う海、黄海でのできごとだった。この海を荒らしまわっている海賊船が、ある貴族船を襲い、女や財宝を奪い、男たちを皆殺しにしてしまった。わけても美しい姫を守るため最後まで勇敢に戦って倒れた若い貴族と姫の最後は哀れであった。一年を経て、再び海賊船がこの海にめぐりくると、あの貴族の幽霊船が現れる・・・。 ヴェネチア映画祭で特別賞に輝いた大藤芸術の到達点。

映文連創立60周年記念上映会 短編作品が映す日本の歩み

 短編映像をつくるプロダクションの集まりである「映像文化製作者連盟」が発足して60年たちます。
戦後、短編製作の先達たちは、視聴覚教育の振興が叫ばれるようになった状況下で「教育映画」を中心に短編映画をつくり始め、その後、時代の変遷、映像メディアの進展とともに移り変わりつつ、35、16㎜フィルム作品から、ビデオ、ハイビジョン、CG、デジタル作品と映像技術の進歩に支えられ、時には先取りして、社会や産業、科学技術、伝統文化や暮らしなど、さまざまな事柄を伝える数多くの作品を製作してきました。たとえ、受注映像であっても、そこには、斬新なアイディアがあり、正確な描写や分かりやすさへの工夫、詩情あふれるものなど、製作者が個々の作品に込めた思いは、決して長編のそれに劣るものではありません。
 過去60年にわたって製作されてきた短編映像の中から、「文化」「科学」「産業」などのジャンルを踏まえ、1950年代、60年代、70年代、80年代、90年代、2000年代と6つのエポックに分けて、各時代の短編映像ベスト作品を上映し、日本社会の変遷を読み解いていきます。

第1部 1950〜70年代 13時30分~16時40分

1950年代 復興への歩みが始まる

  • 13:30

『はえのいない町』 12分
1951年 岩波映画製作所 作品提供:岩波映像

『はえのいない町』

お昼の弁当にハエがたかる。ハエは学校のどこからやってくるのだろう?子どもたちの思考プロセスを自然に導いてゆく卓抜なシナリオは、羽仁進が担当。『社会科教材映画大系』のシリーズで最高の売り上げを記録した戦後初期教育映画の名作。

  • 13:43

『ミクロの世界 -結核菌を追って-』 29分
1958年 東京シネマ 作品提供:東京シネマ新社

『ミクロの世界  -結核菌を追って-』

20世紀の半ばに抗生物質が発見され、薬剤として使用されるまで、結核菌とのたたかいは、人類とって大きなテーマであった。結核菌とたたかう食細胞、貪食された結核菌はどうなるのか、微速度顕微鏡撮影の技術で極微の未知の世界を探求し、その死闘の激しさを観察、カラーフィルムで記録した。

(文部大臣賞/キネマ旬報・短編第1位/毎日映画コンクール・教育文化映画賞/教育映画祭・最高賞/日本紹介映画コンクール・朝日新聞社賞)

1960年代 高度成長の時代

  • 14:13

『一粒の麦』 27分
1962年 日本産業映画センター 作品提供:クリックス

『一粒の麦』

ビール製造は食品産業のなかでも大規模で装置化が進んでいるが、同時に麦芽、ホップ、水など自然の産品にも深く依存している。本作は、主要原料である麦芽になる二条大麦の品種改良の努力を描き、遺伝という生命の働きを考えさせる。

(日本産業映画コンクール・日本産業映画大賞/東京都教育映画コンクール・金賞)

  • 14:41

『銀座の地下を掘る』 36分
1964年 日本映画新社 作品提供:東宝ステラ[日映アーカイブ]

『銀座の地下を掘る』

東京オリンピックに間に合わせるべく建設されていた日比谷線は、銀座線、丸の内線に対して直交するため、その線路や駅は既設両線の下をくぐり抜ける「深い」地下鉄となる。しかも、都電の走っている路上交通を妨げないように進めなければならない。シールド工法以前の、「深い」地下鉄への一歩を伝える記録である。

(国土開発映画コンクール・最優秀作品賞)

1970年代 高度経済成長以後へのまなざし

  • 15:18

『野菜の値段のからくり』 40分
1972年 農山漁村文化協会

『野菜の値段のからくり』

1971年、農林省は野菜などの価格暴騰に総合的に対処するため、生鮮食品価格安定対策本部を設置。その年に登場した本作は、野菜の市場と価格決定の仕組みを生産農家の立場から分析。消費者が負担する値上がり分は、消費者自身をも生産者をも益するものでなく、専ら流通経費に充てられて仲買を潤すのみと訴える。

(教育映画祭・最高賞/キネマ旬報・文化映画第5位/東京都教育映画コンクール・最優秀賞)

  • 16:00

『彫る 棟方志功の世界』 38分
1975年 美術映画製作協会 毎日映画社

『彫る 棟方志功の世界』

日本の誇る版画家、棟方志功(1903〜75年)の晩年の人と作品を記録した映画。72歳、もう左の眼は見えない。しかし、その旺盛な仕事ぶり、屈託のなさが印象的である。生い立ちから撮影時の姿までを密着取材によって追い求め、その人柄を伝える。また棟方版画館に展示されている「女人観世音」などの代表作が紹介される。

(芸術祭・記録映画部門芸術祭大賞/キネマ旬報・文化映画第1位/毎日映画コンクール・教育文化映画賞/日本紹介映画コンクール・優秀作品賞/東京都教育映画コンクール・最優秀賞)

  • 16:40~17:30

トークセッション
「短編映像の役割とは何か」

時代とともに歩んできた短編映像の魅力とは何か。これからを見据えつつ、短編映像の果たす役割を語り合う。

出席者:
渡部 実 氏(映画評論家)
木村 照彦 氏(イメージサイエンス 代表取締役社長)
小松原 時夫 氏(モンタージュ プロデューサー)
益田 祐美子 氏(平成プロジェクト 代表取締役社長)
金山 芳和 氏(金山プロダクション、すかがわ国際短編映画祭実行委員)
司会: 
高橋 秀明 氏(映文連副会長)

第2部 1980年代〜2000年代 17時40分~20時45分

1980年代 消えていった世界・見えてきた世界

  • 17:40

『有明海の干潟漁』 33分
1989年 桜映画社

『有明海の干潟漁』

有明海は、九州北西部4県にまたがる九州最大の湾。干満の差が大きい肥沃な干潟にはムツゴロウをはじめ、特有の魚介類が豊富に生息している。沿岸に住む人々は、農業のかたわら、オカズとりや小遣い稼ぎの漁をして、その暮らしを支えてきた。本作では、その漁撈習俗を漁法と漁具に焦点をあてて記録している。

(芸術作品賞/日本産業映画ビデオコンクール・産業映画ビデオ大賞/キネマ旬報・文化映画第1位/科学技術映画祭・科学技術長官賞/教育映画祭・最優秀作品賞・文部大臣賞/毎日映画コンクール・記録映画文化賞/日本紹介映画・ビデオコンクール・金賞)

  • 18:14

『ナノワールドに挑む 電子顕微鏡が探る極微の世界』 26分
1988年 イメージサイエンス

『ナノワールドに挑む 電子顕微鏡が探る極微の世界』

物質をナノ単位、すなわち原子のレベルで観測する電子顕微鏡の発達を描きながら、電子顕微鏡が、単に極微の世界の研究にとどまらず、半導体や超伝導など最先端のテクノロジーの発展に貢献していることを解説。

(日本産業映画祭・経団連賞・銅賞・科学技術庁長官賞/日本産業映画ビデオコンクール・産業映画ビデオ賞/科学技術映画祭・科学技術長官賞/TEPIAハイテクビデオコンクール・最優秀作品賞・通産大臣賞)

1990年代 20世紀の再考

  • 18:40

『映像評伝 朝永振一郎』 60分
1995年 山陽映画

『映像評伝 朝永振一郎』

朝永振一郎は京大時代、湯川らと手さぐりで量子力学を勉強し、理化学研究所からドイツ留学を通じて、青春時代の苦悩のなかで「無限大」と格闘し、戦中戦後の劣悪な研究環境のなかで、若い研究者を育てながら「くりこみ理論」を完成させた。朝永の生涯をとおして、物理学の歩みを描く。

(科学技術映像祭・科学技術長官賞/日本産業映画ビデオコンクール・ビデオ大賞/教育映画祭・文部大臣賞・最優秀作品賞/毎日映画コンクール・記録文化映画賞/キネマ旬報・文化映画第1位/TEPIAハイテクビデオコンクール・特別賞/文化庁優秀映画作品賞)

2000年代 混沌の新世紀に

  • 19:40

『草間の宇宙』 17分
2000年 栗林自然科学写真研究所

『草間の宇宙』

写真家 栗林慧氏は、自作の「虫の目レンズ」で、里山の身近な自然を観察する。地上のアリやキリギリスのアングルから世界を観察すると何がみえる?草原の昆虫たちの不思議な世界。

(科学技術映像祭・内閣総理大臣賞)

  • 19:58

『生きもの 金子兜太の世界』 46分
2009年 ポルケ

『生きもの 金子兜太の世界』

90歳(当時)を迎えた今も現役として活躍する俳人・金子兜太さん。
俳句の世界だけにはとどまらない 金子兜太さんの生き方や人間観、自然観を、本人のインタビューと多彩な句でつづるドキュメンタリー作品。

(映文連アワード2010 最優秀作品賞グランプリ)

上映作品

アワード上映会日程

東京会場

表彰式
[日時]
2013年12月6日(金)
13時30分開始
[会場]
国立新美術館講堂
上映会
[日時]
2013年12月9日(月)-11日(水)
13時開始(10日のみ13時30分開始)
[会場]
日仏会館ホール

沖縄、大阪、札幌は、受賞作品の中から10作品程度の上映となります。2014年1月~2月の開催を予定しています。

ICFS上映会日程

東京会場

上映会
[日時]
2013年12月10日(火)
19時開始
2013年12月11日(水)
18時30分開始
[会場]
日仏会館ホール

後援

  • 文部科学省 経済産業省
  • 東京都 映像産業振興機構
  • 日本映画テレビ技術協会
  • 日本アド・コンテンツ制作社連盟
  • 日本ポストプロダクション協会
  • 日本映画撮影監督協会
  • 日本映画テレビ照明協会
  • 高度技術社会推進協会
  • 毎日新聞社 読売新聞社
  • 日本経済新聞社
  • 映像新聞社 ユニ通信社
  • (順不同)
  • 助成:芸術文化振興基金
  • 助成:芸術文化振興基金  CoFesta2013

主催

  • 公益社団法人 映像文化製作者連盟
  • TEL 03-3662-0236

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