小網町短信

第7回 2013.2.24

シアターキノ会場 写真

◆映文連アワード2012札幌上映会

2月19、20日に「映文連アワード受賞作品上映会in札幌」を開催した。
今年の札幌は、大雪で、いつもなら雪祭りが終わると道路に雪がなくなるそうだが、次々に大雪が降り、道路の角には雪の壁が断層を見せて横たわっている。上映会は毎年、こんな寒い時期にと言われつつも、今年も冬場の開催となった。
札幌での上映会は、今年で3回目、今回は初めてシアターキノで開催した。シアターキノは、2つのホール(100席と63席)をもつ狸小路商店街にある小さな映画館で、大手映画館ではなかなかかからない良質な外国映画やドキュメンタリーなどを心憎いセレクトで上映している。館主のNさんとメールで連絡をとりながら、なんとか映画館での上映にこぎつけた。


上映会が満席になるのはそれほど多くないが、嬉しいことに「江差追分 人生の唄」と「ふじ学徒隊」のAプログラムは、地元人気を呼んで、開始前にはエントランスに人が溢れ、ほぼ満席に近い状態になった。北海道新聞と朝日新聞2紙にも報道され、それを読んで来られた方も多かったようだ。
観客の中には、札幌まで3時間ほどかかる長万部から泊まりがけで4プログラムを観に来て下さった方もあった。その熱意に感謝したい。


上映の目玉は、ソーシャル・コミュニケーション部門で部門優秀賞を受賞した「江差追分 人生の唄」。この作品は北海道映像記録の若手女性ディレクターKさんが演出した作品で、前作に比べ、格段の進歩があり、「密度ある構成となっており、見応えある作品」と評価され、今回の受賞となった。


その「江差追分 人生の唄」に対しては、「スケールが大きくて感動を受けました。北海道の素晴らしい映像をみせてもらいました」との感想。
それと並んで上映した「ふじ学徒隊」にも多くの声が寄せられた。
「戦争の知らない部分を知ったことはとても良かったです」
「沖縄戦を忘れないためにも、体験された方々の証言(“本物の言葉”)を映像化したこの作品はとても貴重だと思いました」
「2本とも心に残る作品だった。このような映画が一般の人が見られないのは残念です。NHKテレビなどで、放映してもらうことは出来ないでしょうか」


短編は一般の人には馴染みがなく、なかなか映画を観に来て下さらない。しかし、一度観てその良さを発見すると、また観てみたいと思われる。今のテレビ番組よりずっと良いと言ってもらえることもある。しかし、そこまで行くのがなかなか遠い。集客には悪戦苦闘が続く・・・。それでもヒントはある。地元関連の作品が上映されること。新聞報道されること。そして、その地に根をはっている制作会社があり、知人・関係者を口コミで動員して下さること。それが上映会の盛況に繋がるようである。


2月16日には、沖縄上映会があり、これで2012年度のすべての上映会は終わった。
さあ、「映文連アワード2013」の応募準備を始めよう。
今年はどんな作品に出会えるか、楽しみである。

事務局 kiyo

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